株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
第98期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)株主通信をお届けするにあたり、ごあいさつを申し上げます。
第98期通期の業績は、前年比増収増益となりました。売上高は、日本や欧州で顧客の在庫調整が進むとともに、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどAI関連機器向けの需要が堅調に推移したことにより、前年比12.7%の増加でした。利益面では、中国・マレーシアの新工場建設による減価償却費等の固定費の増加や、2025年度下期において金属相場の高騰による減益影響があったものの、売上が増加し、また期初の米国関税政策への対応策として設備投資と経費を徹底して抑制した結果、営業利益は前年比210%増となりました。
さて、「2027中期経営計画」において当社は今、成長市場への取り組みを強化しています。たとえば、AI関連機器市場では、DX浸透によるデータセンターのインフラ増強が事業機会を創出し、2025年度の販売実績は約36億円となりました。今年度もAIサーバーラックにおける抵抗器需要は年間約1,300億個あると予想されることから、当社においても前年比約20%の増加を見込んでいます。
通常のサーバーと比べ3〜5倍の電力を消費するAIサーバーでは、電源装置やサーバー内の電気回路の高効率化が進むことで、抵抗器にも新たな性能が求められます。具体的には、大電流検出、高電圧検出、超高速通信、耐環境性能といった要求に対し、既存品では電流センサモジュール、薄膜タイプの高電圧デバイダー、長期にわたる信頼性を担保できる耐硫化チップ等の拡販を進めます。さらに今後の製品提案についても、長辺電極シャントや厚膜タイプのデバイダー、高精度超小型の薄膜チップ、価格面でメリットのある遅延タイプの耐硫化チップなど、当社の幅広い製品のラインナップと技術力で対応してまいります。
成長市場への対応は海外でも進んでいます。中国政府からの移転要請により新工場を建設した興和電子(太倉)有限公司は、2025年9月に移転を完了しました。また、2025年4月に新工場が竣工したKOA DENKO (MALAYSIA)は、現在お客様の認証をいただくための生産準備を進めており、2026年10月からの出荷を予定しております。いずれも主力である厚膜フラットチップを生産しており、自動車市場やAI関連市場、将来のイノベーション市場に向けて、充分な供給能力を確保し、お客様のご要求にお応えしてまいります。
なお、2027年3月期には、売上高が今年度比51.1億円増加の774億円、営業利益が今年度比8.2億円減少の28.3億円となる見込みです。株主様への還元につきましては、総合的なキャピタルアロケーションの観点から、事業への再投資および自己資本の最適化を重視しつつ、配当を含む株主還元を進めていくことを基本方針とし、当面、1株当たり年間配当金の下限値を30円とし、連結配当性向30%前後を目安といたしました。2026年3月期の期末配当は、当初予想の15円から2円増配の17円とし、年間配当額は32円となりました。さらに、2027年3月期は中間・期末配当をそれぞれ2.5円増配して19.5円とし、年間配当額は7円増配の39円を予想しております。
株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2026年6月