株主・投資家情報

第98期 株主通信

KOA株式会社 株主通信 第98期
KOA Corporation Securities Code: 6999
President's Message
トップメッセージ
代表取締役社長執行役員 向山浩正
代表取締役 社長執行役員
向山 浩正

株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

第98期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)株主通信をお届けするにあたり、ごあいさつを申し上げます。

第98期通期の業績は、前年比増収増益となりました。売上高は、日本や欧州で顧客の在庫調整が進むとともに、中国を中心とした自動車向けや、アジアのデータセンターなどAI関連機器向けの需要が堅調に推移したことにより、前年比12.7%の増加でした。利益面では、中国・マレーシアの新工場建設による減価償却費等の固定費の増加や、2025年度下期において金属相場の高騰による減益影響があったものの、売上が増加し、また期初の米国関税政策への対応策として設備投資と経費を徹底して抑制した結果、営業利益は前年比210%増となりました。

さて、「2027中期経営計画」において当社は今、成長市場への取り組みを強化しています。たとえば、AI関連機器市場では、DX浸透によるデータセンターのインフラ増強が事業機会を創出し、2025年度の販売実績は約36億円となりました。今年度もAIサーバーラックにおける抵抗器需要は年間約1,300億個あると予想されることから、当社においても前年比約20%の増加を見込んでいます。

通常のサーバーと比べ3〜5倍の電力を消費するAIサーバーでは、電源装置やサーバー内の電気回路の高効率化が進むことで、抵抗器にも新たな性能が求められます。具体的には、大電流検出、高電圧検出、超高速通信、耐環境性能といった要求に対し、既存品では電流センサモジュール、薄膜タイプの高電圧デバイダー、長期にわたる信頼性を担保できる耐硫化チップ等の拡販を進めます。さらに今後の製品提案についても、長辺電極シャントや厚膜タイプのデバイダー、高精度超小型の薄膜チップ、価格面でメリットのある遅延タイプの耐硫化チップなど、当社の幅広い製品のラインナップと技術力で対応してまいります。

成長市場への対応は海外でも進んでいます。中国政府からの移転要請により新工場を建設した興和電子(太倉)有限公司は、2025年9月に移転を完了しました。また、2025年4月に新工場が竣工したKOA DENKO (MALAYSIA)は、現在お客様の認証をいただくための生産準備を進めており、2026年10月からの出荷を予定しております。いずれも主力である厚膜フラットチップを生産しており、自動車市場やAI関連市場、将来のイノベーション市場に向けて、充分な供給能力を確保し、お客様のご要求にお応えしてまいります。

なお、2027年3月期には、売上高が今年度比51.1億円増加の774億円、営業利益が今年度比8.2億円減少の28.3億円となる見込みです。株主様への還元につきましては、総合的なキャピタルアロケーションの観点から、事業への再投資および自己資本の最適化を重視しつつ、配当を含む株主還元を進めていくことを基本方針とし、当面、1株当たり年間配当金の下限値を30円とし、連結配当性向30%前後を目安といたしました。2026年3月期の期末配当は、当初予想の15円から2円増配の17円とし、年間配当額は32円となりました。さらに、2027年3月期は中間・期末配当をそれぞれ2.5円増配して19.5円とし、年間配当額は7円増配の39円を予想しております。

株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2026年6月

Financial Highlights
2026年3月期 決算ハイライト
売上高
(単位:百万円)
中間期
通期
経常利益
(単位:百万円)
中間期
通期
親会社株主に帰属する
当期純利益
(単位:百万円)
中間期
通期
1株当たり
当期純利益
(単位:円)
中間期
通期
総資産
(単位:百万円)
通期
純資産/自己資本比率
(単位:百万円、%)
純資産
自己資本比率
Corporate Governance
企業ガバナンスの進化

当社は、長期的な企業価値向上と株主の皆様への責任を果たすべく、ガバナンス改革を着実に推進してまいりました。

指名・報酬委員会の活用
2021年3月に設置した指名・報酬委員会は、委員の過半数を独立社外取締役とし、委員長も独立社外取締役が務める体制のもと、年平均7回のペースで活動してきました。この5年間で、執行役員制度の設計、社長交代プロセスの主導、そして役員報酬体系の抜本的見直しという大きなガバナンス改革を実現しました。
企業経営と業務執行の分離
2024年6月、創業以来85年間続いてきた経営・執行一体の体制を刷新し、委任型執行役員制度を導入しました。取締役会から業務執行関連の権限を明確に分離・委譲することで意思決定を促進するとともに、二重マネジメントに陥らない設計を徹底しました。移行から2年が経過し、2026年6月には9名の執行役員のうち3名のみが取締役を兼任する体制へ移行します。
取締役会の実質化・社外化
取締役会は、業務執行の案件審議中心から、投資戦略・人的資本・技術など戦略的議案を年間スケジュールとして計画する「新しい取締役会」へと生まれ変わりました。2025年6月には社外取締役が議長に就任し、2026年6月開催の定時株主総会を経て、8名中5名が独立社外取締役となりました。また、2025年2月よりROIC経営を宣言し、株価・ROE・PER・資本コストの四半期レビューも定着しています。
新役員報酬体系
取締役と執行役員の報酬を明確に区分する新体系を導入しました。取締役の基本報酬は社内外を問わず一律とし、業績賞与は設けません。執行役員には目標ROE9%に連動した完全業績連動型の賞与を導入し、経営の規律と成果を直結させる設計としています。

これらの改革を通じ、当社は実効性あるガバナンス体制の確立を目指し、引き続き取り組んでまいります。

New Products & Businesses
新製品・新事業紹介
超小型薄膜チップ抵抗器 RN73H 1H
新製品
業界トップクラスの定格電力を実現した0603サイズ薄膜チップ抵抗器 RN73H 1H
薄膜チップ抵抗器「RN73H」の新サイズとして、0603サイズ(0.6×0.3mm)「RN73H 1H」を開発しました。小型サイズながら定格電力0.075Wを実現し、同サイズ品としては業界トップクラスの電力性能を備えています。生成AIの普及によりデータセンターの省電力化ニーズが高まる中、サーバー通信の光化に伴い需要拡大が見込まれる光モジュールや、車載分野におけるSDV(Software Defined Vehicle)化に伴う高密度実装といった成長領域での採用が期待されます。
品番RN73H 1H(0.6×0.3mm)
用途データセンター向け光モジュール、車載ADAS、産業機器、医療機器など
特長0603サイズで定格電力0.075W実現・AEC-Q200準拠
Old Space向け高信頼性実装サービス
新事業
Old Space向け高信頼性実装サービス
人工衛星をはじめとする宇宙機器向けの高信頼性実装サービスを開始しました。マイナス150℃からプラス120℃に及ぶ過酷な環境で長期運用される人工衛星には、極めて厳しい品質基準が求められます。本サービスでは、宇宙規格(JERG等)が要求する品質を満たすため、ESDコーディネータによる静電対策管理下で、マイクロソルダリング技術資格者が一点一点手作業ではんだ付けを行います。長期運用を前提とした従来型の人工衛星「Old Space」分野ではすでに採用いただいており、今後拡大が見込まれる宇宙産業において、当社の高信頼性実装技術の活躍の場が広がっていくことが期待されます。
用途人工衛星等の宇宙機器向け基板実装
特長宇宙規格対応・有資格技術者による手はんだ実装
Shareholder Survey
株主アンケート結果報告

第98期中間株主通信にてお願いしました株主アンケートにつきまして、多くのご回答をいただき誠にありがとうございました。ここにアンケート結果の一部をご紹介いたします。お寄せいただきました貴重なご意見は真摯に受け止め、今後の経営およびIR活動に活かしてまいります。

Q.01
当社の株式に対してどのような保有方針ですか?
5年以上保有49.8%
買い増し19.8%
2〜4年保有19.3%
1年程度保有4.3%
売却予定・その他8.6%
Q.02
どのようなIR活動の充実を希望しますか?
株主向けイベント30.6%
当社HPの充実20.8%
個人株主向け説明会18.0%
当社から郵送する紙媒体16.2%
SNSや動画14.5%
Q.03
当社への投資の決め手は何ですか?
事業内容33.9%
成長性24.5%
配当18.4%
株価・株価指標12.8%
経営の安全性10.4%
Q.04
2027中期経営計画で特に期待する分野はどれですか?
成長市場への積極拡販47.9%
イノベーション市場向けの製品開発14.8%
材料基礎研究の強化14.2%
不採算製品の収益改善13.3%
ROIC経営の実践5.0%
付加価値労働生産性の向上3.8%
GHG削減と経済性の両立1.0%
株主様からのメッセージ
株主アイコン
地域に根差した経営に好感が持てます
株主アイコン
AIを積極的に導入し、強固な基礎研究力を磨いてほしいです
株主アイコン
会社創業の思いなどに感銘を受けて投資を決めました。これからも応援しています
株主アイコン
WEB等を活用した積極的な情報発信を希望します