株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
第95期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)事業をご報告するにあたり、ごあいさつを申し上げます。
当社は今、2030ビジョン(Essential Parts of the World)の実現に向け、EVなどのモビリティ市場、産業機器市場の成長を支えるとともに、新たな事業領域への取り組みを加速しています。その挑戦のフェーズ1と位置付けた2024中期経営計画において、私たちは「確実な成長」のための基盤づくりを進めてきました。
その結果、第95期は円安の進行、生産能力の拡大、平均売価の上昇等により、前期を大きく上回る実績を上げました。今期をさらなる飛躍のための準備期間とすることで、中期経営計画の最終年度には売上高870億円以上、営業利益110億円以上、営業利益率13%以上、ROE11%以上を目標としています。
さて、2024中期経営計画の6つの重点施策のうち、2030年に向けた供給体制の構築では、需要の多い厚膜及び薄膜チップ抵抗器の生産能力倍増と複数拠点化によるBCP対応に取り組んでいます。3年間累計で440億円に及ぶ設備投資により、生産能力増強を果たす計画です。
具体的には、厚膜チップ抵抗器について、2022年4月に竣工した鹿島興亜電工株式会社の新工場「となみの庄」へHICラインを移管とともに、10月から生産を開始。お客様の承認後に順次出荷が始まっています。マレーシアの拠点では、2022年度分の量産設備増強を終え、さらなる増産を図るべく用地取得した新工場の基本設計まで完了しました。
薄膜チップ抵抗器については、真田KOA株式会社の工場「真田の郷」において昨年より工場内インフラ工事が始まり、2024年6月には生産ラインの立ち上げが完了します。
そして、お客様と共創できる研究開発型企業になるための大切な拠点として、2024年8月、本社を置くパインパークに研究開発・生産拠点が竣工する予定です。
一方、非財務指標の進捗については、環境面で電力の再生可能エネルギー比率がグループ全拠点で69%となり、CO₂排出量(Scope1+2)は2020年度比で61%削減しました。
人的資本への投資も2000年代から積極的に行ってきており、中期経営計画においても未来を創造する人づくりに注力することで、社員エンゲージメント・レーティング、人材開発・育成投資ともに着実に向上しています。
2030ビジョンに掲げるごとく、KOAは世界を支える必要不可欠な部品メーカーとして、豊かな社会をつくる世界の一員になります。
株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2023年6月