株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
第95期(2022年4月1日から2023年3月31日まで)中間事業をご報告するにあたり、ごあいさつを申し上げます。
当社は「2030ビジョン(Essential Parts of the World)」を掲げました。その実現に向け、EVなどのモビリティ市場、産業機器市場の成長を支えながら新たな事業領域への取り組みを加速しています。2040年の創業100年も見据えた私たちの挑戦のうち、フェーズ1で挑む「確実な成長」のための基盤づくりに注力するのが2024中期経営計画です。本計画では、KOAがステークホルダーとする5つの主体(株主様、お客様・お取引先様、地域社会、社員・家族、地球)との関わりのなかで6つの重点課題を挙げています。
このうち、2030年に向けた供給体制の構築では、需要の多い厚膜及び薄膜チップ抵抗器の生産能力増強と複数拠点化によるBCP対応に取り組みます。具体的には、2022年4月に竣工した鹿島興亜電工株式会社の新工場「となみの庄」に旧富山工場からHIC生産ラインを移管し、10月からは厚膜生産ラインを稼働させました。また、マレーシアの拠点では厚膜の量産設備を増強しつつ、さらなる増産を図るべく新工場建設用地も取得しました。薄膜チップ抵抗器については、複数拠点化の実現のため真田KOA株式会社の工場「真田の郷」に生産ライン構築を決め、2024年6月の立ち上げ完了を予定しています。そして、2024年3月にはKOAの新たな研究開発・生産拠点が竣工予定です。こうした活動を通じて、2030年に向けて厚膜・薄膜製品ともに生産能力倍増を進めます。
再生可能エネルギーの導入と電力使用量の削減では、長野県内拠点で「信州Greenでんき」を導入し、電子部品の開発・製造に使用する電力を100%再生可能エネルギーに切り替えました。国内全拠点においても購入電力での再生可能エネルギー比率が82%に達しています。グローバルに目を転じてもドイツ、アメリカ、中国の一部で再生可能エネルギーを導入しています。さらに、2022年6月からは本社地区で太陽光発電を開始したほか、地域社会と連動した森づくりを通じて気候変動対策のモデルづくりも四半世紀にわたって継続しています。
ガバナンスの新たな取り組みについては、2022年6月の株主総会において業績連動型役員報酬制度を導入しました。また、独立社外取締役4名を選任し、取締役総数に占める比率を36.4%としました。そして、任意の諮問委員会である「指名・報酬委員会」を設置し、その委員長を含む委員の過半数を独立社外取締役としました。
当社は、社会課題の解決や豊かな暮らしの実現に取り組むお客様に新しい価値を提供しながら、研究開発型企業として小さな部品で世界に大きな変化を起こします。
株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。
2022年12月