株主・投資家情報

トップメッセージ

 株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

 第98期(2025年4月1日から2026年3月31日まで)中間期の事業をご報告するにあたり、ごあいさつを申し上げます。

 今上期は、為替が円高傾向で推移したものの、在庫調整の影響を受けていた産業機器向け需要が回復したことに加え、中国を中心とした自動車向け、アジアのデータセンターなどAI関連機器向けの需要が堅調であったこと等により、売上高は前年同期比8.6%の増加となりました。また、中国、マレーシアにおける新工場建設、国内での研究開発拠点新設による減価償却費等の固定費の増加、期初の米国関税政策による影響はみられたものの、売上の増加と、徹底した設備投資、経費の抑制の結果、営業利益は前年同期比175%増となりました。

 今期は、2030ビジョン実現のためのフェーズ2「2027中期経営計画(2025年~2027年)」の初年度にあたります。フェーズ1では「確実な成長のための基盤づくり」を基本方針と定め、中長期的に拡大する抵抗器市場において、シェアを維持し売上成長を実現するための生産能力の増強に努めてまいりました。フェーズ2においては、「ROIC経営を軸に利益成長と効率向上を実現する」を基本方針とし、これに基づき製品ポートフォリオ戦略、技術戦略、企業体質強化の3つを重点施策として実行します。

 

 製品ポートフォリオ戦略では、当社がさまざまなアプリケーション向けに提供する製品のなかでも、市場成長性や資本収益性の高い製品群を、フェーズ1で先行投資し拡充した生産能力とグローバルな販売チャネルを武器に、成長市場へ向け積極的に拡販します。一方で、製品のライフサイクルの末期を迎えた不採算製品の収益改善についても取り組みます。

 技術戦略では、まず抵抗器の製品の性能をさらに向上させるため、材料の基礎研究を強化します。中長期的に基礎研究を継続することで、新しい材料を自社で開発し、優れた製品性能を持った新製品の開発へつなげていきます。そして、AIサーバーの光通信モジュールや電流・電圧制御コンバータ、EV等の電動車、ロボットといったイノベーション市場向け製品開発にも注力します。

 企業体質強化では、フェーズ1の振り返りで課題として認識した資本収益性を向上すべく、グループ全社でROIC経営を実践します。間接部門ではデジタルツールやデータ活用などによる業務の変革、製造部門ではスマートファクトリーの取り組みを通じて、付加価値労働生産性の向上に努めます。さらに環境面では、GHG排出量の削減と経済性の両立を図ります。

 

2027中期経営計画 数値目標

 本経営計画最終年度の2027年度には、ROIC4.7%、ROE6.2%、売上高800億円、営業利益74億円を目標とします。そして、株主様への還元につきましては、総合的なキャピタルアロケーションの観点から、事業への再投資および自己資本の最適化を重視しつつ、配当を含む株主還元を進めていくことを基本方針とし、当面、配当は1株当たり年間30円を下限とし、連結配当性向30%前後を目安といたしました。

 株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

 

2025年12月