株主・投資家情報

トップメッセージ

 株主の皆様におかれましては、平素より格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
 第91期(2018年4月1日から2019年3月31日まで)事業をご報告するにあたり、ごあいさつを申し上げます。
 2019年1月、長野県伊那市の西山工場に新工場棟が竣工しました。KOA本社が所在する「KOAパインパーク」から車で約10分、背後に中央アルプスの経ヶ岳が聳え、正面に伊那谷を挟んで南アルプスの甲斐駒ヶ岳、仙丈ケ岳などの秀峰を望む景観の地で、KOAの国内生産を代表する工場の一つです。
 当社は2012年に長野県下伊那郡阿智村に「七久里の杜(もり)」工場、13年に上田市真田に子会社である真田KOA株式会社が「真田の郷(さと)」工場、16年にパインパークに隣接して、研究開発拠点である「West Wing」と物流拠点の「South Wing」、そして今回の西山工場新棟と、相次いで拠点を新設してきました。これは抵抗器専業メーカーとして培ってきた技術を磨き、お客様によりご信頼いただける製品を日本でのものづくりから生み出していくために不可欠な投資と考えています。
 KOAが抵抗器において得意とする「高精度・高信頼性」は、いうまでもなく現在の電子技術を取り巻く流れに欠かせません。IoTの進展に伴い、サイバー空間へのデータの入り口となるセンサーは、一説では今後地球上の全人類が1年間に1人約150個を使うそうです。その数ざっと1兆個。「トリリオン(兆)・センサー社会」が到来しているのです。西山工場が生産を担う「薄膜チップ抵抗器」は、センサーからの微弱な信号を精度よく増幅しマイコンに送る増幅回路に不可欠の電子部品です。
 KOAはこれを1988年に生産を開始以来、需要の増加が見込める車載向けになんとかお使いいただこうと地道な改良を続けてきました。その結果、温度変化に対する抵抗値変化や長期間使用時の抵抗値変化が極めて小さいという「高精度・高信頼性」のご評価をいただき、特に自動車の電動化や自動運転、工作機械、医療・福祉分野、インフラ管理など絶対に誤動作が許されない分野で、多くの受注をいただいています。西山工場新棟の効果で、薄膜チップ抵抗器の生産能力は2025年においては、17年度比倍増できる予定です。
 これ以外にも培ってきた薄膜技術を使った、傾斜センサーや水素センサーなどの各種センサー開発にも注力するとともに、センサーからの信号処理を行う回路を一体化した「センサーモジュール」の開発も行うなど、来るべき“高度センシング社会”の基盤を支える製品や技術の創出に注力してまいります。
 株主の皆様におかれましては、今後も一層のご指導ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

2019年6月