製品情報

インダクタの使い方

電源回路用インダクタ

スイッチング電源や DC-DC コンバーターなど、エネルギーを変換する回路で使用されるインダクタです。多くの場合「チョークコイル」として使われます。 電源機器の設計では、発生した熱を分散させることは重要な設計ポイントですが、熱の発生源となるトランスやインダクタの選択においても、損失の少ないものを選ぶことが大切です。
下図にスマートフォンのバッテリー充電器として使用されているACアダプタの回路図を示します。

L1とL2は共にノイズ除去を目的としたインダクタです。ACアダプタは家庭のコンセントに差し込んで使われますので、ACアダプタ内部で発生した電磁ノイズが他の機器へ伝達しないように、ノイズ除去を行う必要があります。 通常、アクロスザラインコンデンサCxやラインバイパスコンデンサCyと組み合わせてローパスフィルタを構成します。上図において、L1・L2は共にノーマルモードインダクタとして使われています。C1はアクロスザラインコンデンサとして働くフィルムコンデンサです。

L3は平滑用チョークコイルです。ダイオードで整流され、コンデンサで平滑されたリップルを含む出力電流を、チョークコイルのインピーダンスを使って平滑します。 チョークコイルにはACアダプタの出力電流が流れますから、計算によって必要なインダクタンスの値が決まったら、チョークコイルに与えられる実装スペースを考慮しながら、なるべく直流抵抗の低いチョークコイルを選びましょう。

高周波インダクタの選定方法

RF回路の共振用インダクタやインピーダンスマッチング、高調波トラップなどには高周波特性の優れたインダクタを選びます。

Qの高いインダクタを選ぶ

Qは高周波における損失を計る指標です。電源回路用インダクタの銅損の考え方と同様に、抵抗値が低いことが重要です。但し、この場合の抵抗値とは直流抵抗のことではなく、高周波における電気抵抗を考えなければなりません。 高周波では表皮効果(Skin effect)が顕著になりますので、導体の断面積ではなく表面積を大きくすることが重要です。また、鉄芯内の磁束についても同様の現象があるため、コイル径を大きくすることで実効磁気抵抗を低減させます。

自己共振周波数の高いインダクタを選ぶ

高周波領域では、インダクタを構成する巻線や外部端子などが相互に影響し合って、ほんの僅かな浮遊容量Crが存在します。このCrとインダクタのインダクタンスLが共振現象を起こす周波数(fo)があり、共振周波数以上では、インダクタがあたかもコンデンサのようなインピーダンス特性を示します。
高周波インダクタと呼ばれるものは十分に考慮された設計がなされていますが、比較的大型のインダクタやインダクタンス値の高いインダクタを使用する場合には注意が必要です。
インダクタメーカーのカタログには自己共振周波数のデータが載っていますので、使おうとする周波数で使用可能なことを確認してください。

図-15 自己共振周波数の例

インダクタンス許容差の小さいインダクタを選ぶ

インダクタの製造工程では材料と加工精度の変動が避けられません。どうしても、製品間やロット間にバラツキが生じてしまいます。 動作バラツキのマージンを確保したい回路では、他の部品と同様に狭許容差のインダクタを選びます。

インダクタ使用例

発振周波数をコントロールする

VCOの発振周波数は可変容量ダイオードに加える逆バイアス電圧によってコントロールします。この制御電圧ラインに高精度なL値を持つ、 弊社の空芯インダクタKQを用いることで、バラツキの少ない高インピーダンスを得ることができ、安定した発振を可能にします。

高周波信号のアイソレーション

TVセットやチューナー内蔵機器には、1台の中に複数の高周波ブロックが搭載されています。例えば、地デジチューナーやBS/CSチューナーが一緒に存在する場合、互いの高周波信号漏れが思わぬトラブルを引き起こします。 このような場合、共通に接続されているDCラインに巻線形インダクタを挿入することにより、改善することができます。 弊社の空芯チップインダクタKQは実装性に優れたチップタイプです。

コモンモードチョークコイル

フェライトコアに二つの巻き線を施した構造のEMI(放射電磁雑音)対策部品のことで、主に電源ライン、USBやPCI、LVDSといった差動信号を利用するインターフェース回路などで使用されています。電子機器のEMI対策として重要な役割を果たしています。

コモンモードチョークコイルの特長は、ノイズと信号の伝送モードの違いを使ってノイズ分を除去するため、信号成分であるノーマルモードには悪影響を与えず、放射ノイズの発生源となるコモンモードの成分だけを選択して除去します。

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