6.物質移動に伴う熱移動

発熱量の大きい電子機器では、流体に熱を乗せて運ばせます。機器内で部品の熱は空気に伝わり(対流)ますが、温まった空気を素早く外に出さないと部品の温度は上がります。この「空気に熱を持っていかせる」メカニズムはPCやサーバ、電力機器など消費電力の大きい機器では不可欠です。ファンの風量や通風孔の面積を決めるのもここで紹介する基礎式を使います。筐体設計者が最もよく使用する式です。

第1回 モノが動けば熱を運ぶ

熱エネルギーは物体に蓄積されます。もしその物体が動くと、そこに蓄積された熱エネルギーもいっしょに運ばれることになります。この物体の移動によって熱を運ばせるメカニズムは電子機器の放熱で重要な要素です。これにより大量に熱が輸送できるからです。

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第2回 機器の放熱での役割

この移動する物体を流体で考えると、連続的な流れが想定されます。流体が熱を蓄積して温度が上昇し、そのまま流れていくことで連続的に熱を奪って運び去ることができます。この現象を定式化すると、流れる水や空気が運び去る熱流量を求めることができます。

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第3回 熱設計での式の利用

物質の移動に伴う熱移動は、特に機器が空気(換気)によって放熱する場合によく使われます。この換気放熱量を表す式は簡単な式ですが、利用価値の高い式です。機器内空気温度の予測、必要なファンの風量計算、発熱量の予測などに適用可能です。

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第4回 物質移動に伴う熱移動の応用

物質移動に伴う式は換気だけでなく、対象物が固体であっても使用できます。この考え方を使うとプリンターで印刷紙による放熱効果や水冷効果を等価熱伝導に置き換えて処理するなどメカトロ製品などにおいて有効に使うことができます。

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