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抵抗器の基礎の基礎2

負荷軽減曲線とは何ですか?

角形チップ抵抗器の負荷軽減曲線

図4角形チップ抵抗器の負荷軽減曲線

抵抗器は電力を負荷することにより発熱します.抵抗器はとても小さな電熱器なのです. そのため,使用温度範囲内であっても定格電力を100%かけると,抵抗器の発熱によって搭載した基板が焦げたり, 時にははんだ付けした部分が溶けたり,抵抗体が焼損して断線するといった問題が発生することがあります.
このような問題を避けるために,使用温度範囲の高い方では,抵抗器に負荷する電力を徐々に軽減して使います.
温度と負荷電力の軽減の関係を示すのが負荷軽減曲線です.抵抗器は形状,材質などによって放熱の状態が変わりますので,負荷軽減曲線も抵抗器によって変わります.
図4の角形チップ抵抗器の例では,抵抗器の周囲温度70°Cまでは電力を定格電力に対して100%負荷できますが,それ以上の温度では155°Cで負荷が0%(無負荷)になるように,または125°Cで0%(無負荷)になるように軽減曲線に沿って負荷できる電力が変わります.また、定格電力に対し100%負荷ができる周囲温度の最高値を定格周囲温度といいます.図4の場合には,70°Cが定格周囲温度となります.

抵抗器の電極間にはどのくらいの電圧を印加できるのですか?(定格電圧)

定格電圧と最高使用電圧
図5 定格電圧と最高使用電圧

抵抗器の電極間にはオームの法則に従い,次の電圧を 印加することができます.
公式

E:定格電圧(V)→ ①
P:定格電力(W)
R:公称抵抗値(Ω)

しかし,抵抗値が高くなってくると,電極間にはかなり大きな電圧が印加されることになります. 電極間に大きな電圧が印加されると,電極間でショートしたり,抵抗体が電圧に耐えきれずに導電破壊したりといった現象が起きてしまいます.
そのため,連続使用できる電圧の最高値が決められています.それが最高使用電圧(→ ②)です.最高使用電圧は,抵抗器の種類,大きさによってそれぞれ定義されています.
また,定格電圧と最高使用電圧が等しくなるところの抵抗値を,臨界抵抗値(→ ③)といいます.臨界抵抗値以下では計算により求めた定格電力を,それ以上では最高使用電圧を印加することができます.

抵抗温度係数(T.C.R.)とは何ですか?

抵抗器の抵抗値はいつも一定ではありません.温度によって抵抗値は変わります.この変化の大きさを1℃あたりの百万分率で表したものが抵抗温度係数(T.C.R.=Temperature Coefficient of Resistance)です.
公式

T:試験温度(°C)
T0:基準温度(°C)
R:試験温度T(°C)における抵抗値(Ω)
R0:基準温度T0°Cにおける抵抗値(Ω)

例えば,25°Cで公称抵抗値100kΩ,抵抗温度係数(T.C.R.)±100×10-6/Kの抵抗器は,使用温度範囲-55°C~+155°Cでは98.7kΩ~101.3kΩの間で抵抗値が変化します.
抵抗温度係数は抵抗体の材質によって決まる値であり,一般的には金属皮膜は抵抗温度係数が小さな抵抗体です.
なお,この抵抗温度係数(T.C.R.)は,温度によって抵抗値が直線的に変化することを示すものではありません.

<温度による抵抗値変化の例>
100kΩ, T.C.R. ±100×10-6/K
抵抗温度係数による抵抗値変化

表3 抵抗体材質によるT.C.R.の違い
抵抗体材質   T.C.R.(×10-6/K) 
炭素皮膜 -1,300~+350
金属皮膜 ±5~±200
メタルグレーズ皮膜 ±50~±350
酸化金属皮膜 ±200~±300

電蝕とはどんな現象ですか?

かつて学生時代に理科の実験で,水の電気分解を行ったことのある人もいるのではないでしょうか. 電解質を入れた水に白金電極を入れ,電気を流すと陽極から酸素が,陰極から水素が発生するというものです. これと似た現象が抵抗器でも起こります. 抵抗器の塗装の内側に,湿気を含んだ空気や水分が浸入した状態で抵抗器を使い続けると,陽極側では酸素が発生する代わりに抵抗体がイオンとなって溶け出していきます. そして最後には抵抗体がなくなり,断線してしまいます.
この様子は,電気によって抵抗体が蝕まれていくように見えるため電蝕といい,電蝕によって引き起こされた断線を電蝕断線といいます. 電触断線は抵抗値が高いほど発生しやすくなります.これは抵抗値が高い抵抗体は,皮膜が薄く細いパターンで形成されているため,短い時間で抵抗体が溶けてしまうからです.
電蝕はおもに炭素皮膜,金属皮膜で発生します.電蝕を防ぐには,はんだ付けした後の抵抗器をよく洗浄して電解質成分を除き,抵抗器を防湿封止するなどの方法を取ります. また,他の特性に問題がなければ,メタルグレーズ皮膜などのイオン化しにくい抵抗体の抵抗器に置き換えることも対策になります.

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