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電流ヒューズの基礎の基礎

面実装溶断形電流ヒューズにはどんな種類がありますか?

回路のどこかで短絡などの異常が発生して過電流が流れた場合,主電源のヒューズが必ず溶断してくれればヒューズは1つで十分です.
しかし,回路がいくつかに分岐していると,電流容量の小さな末端で異常が発生しても主電源部では検出できないことがあります. その結果,局所的に発熱して発煙・発火に至ることにもなりかねません.
そのため,近年では安全対策として回路の分岐ごとに面実装タイプの電流ヒューズを挿入する例が増えています.
面実装タイプの電流ヒューズは,溶断するヒューズエレメントによって金属皮膜と金属線を用いたものに分けることができます. エレメントに金属皮膜を用いた電流ヒューズは,外形寸法が角形チップ抵抗器と同じであるため,回路基板への抵抗器と同時搭載が可能です. エレメントが金属線でセラミックボディのものは一次回路での使用が可能なものもあります.
目的とする機能や特性から,回路に適したヒューズを選定しなくてはなりません. たいていの電流ヒューズは,電気用品安全法ULなどの安全規格を取得しています.

図1 さまざまな形状の面実装電流ヒューズ

(a)セラミックタイプ(CCF)
(b)モールドタイプ(CCP)
(b)角形チップタイプ(TF)

定格電流の温度ディレーティングはなぜ必要ですか?

ヒューズは,流れる電流とエレメントの抵抗によって発生するジュール熱で溶断します. 発生する熱量Q(J)は,電流I(A),エレメントの抵抗R(Ω),時間t(s)とすると,
公式
となります.
ここで問題になるのがエレメントの抵抗です. エレメントには金属が使われています.
金属は3,000~6,000×10-6/Kの抵抗温度係数を持つため,温度が上がるとそれに伴って抵抗値も大きくなっていきます. つまり,温度が上がるとより短い時間,またはより低い電流で溶断する熱量に達してしまうのです.そのため,使用温度範囲の高い方では軽減曲線に沿って,定格電流を制限して使います.
なお,パルスやサージ,突入電流などの電流波形のエネルギーから最適な電流ヒューズを選定するために,ジュール熱積分値(It)がよく用いられます. 電流ヒューズの温度ディレーティング例
図2 電流ヒューズの温度ディレーティング例

定格電流と溶断電流の違いは何ですか?

定格電流は定常的に印加した場合に,溶断しない電流値を示します.定格電流を超えて使用した場合には,溶断して欲しくない時に溶断してしまうといったことが起こります.エレメントによっては,長期間の使用による酸化や膨張収縮などで抵抗値が上がることを考慮して,定格電流のおよそ70%程度で使用することを勧めているものもあります.これを定常ディレーティングといいます.
使用する回路での定常電流は,定常ディレーティング係数と温度ディレーティング係数を用いて,次の式で求められます.

回路の定常電流≦定格電流値×定常ディレーティング係数×温度ディレーティング係数

交流波形の場合は,電流波形の実効値ではなく,ピーク電流値が定常電流になるようにして使用します.
溶断電流とは,回路を遮断する電流です.回路内で発生した異常電流を速やかに遮断するため定格電流値の2倍以上に設定します.
溶断時間が1秒以内の場合には,実装ランド寸法や基板材質などの周囲の影響による溶断ばらつきは小さいのですが,1秒以上の場合には,周囲の影響を大きく受けますので,実際の回路で事前に確認することが必要です.

定格電圧をオーバーして使用するとどうなりますか?

定格電圧とは,ヒューズ溶断後に電極間に印加しても再導通しない電圧を示します. 定格電圧を超えて使用した場合,溶断時のアーク放電による再導通およびヒューズ素子破壊の危険があります. そのため定格電圧以下で使用します.

電流ヒューズの選定方法を教えてください.

ヒューズ選定の手順は次の通りです.

ヒューズ選定フロー

図3 ヒューズ選定フロー




安全規格
電気用品安全法やULなど安全規格の取得について確認します.安全規格が必要な場合には、その規格を取得している物を選定します.

定格電圧
使用する回路の最大使用電圧を確認し,それ以上の定格電圧を選定します.

定格電流
定常的に印加した場合に溶断しない電流値です.定常的に流れる電流値以上の定格電流を選定します.交流波形や連続波形の場合は,波形ピーク値が定格電流値以下になるように選定します.また,定常ディレーティングが必要な場合にはディレーティング係数により定格電流を軽減します.

温度ディレーティング
周囲温度により温度ディレーティング係数で定格電流を軽減します.タイプにより温度ディレーティング係数は異なります.

突入電流
溶断機能は電流印加に伴うジュール熱により動作します.よって,電源のON/OFF時等に発生する突入電流のような瞬間的な過渡電流に関して限界があります.過渡電流の波形からジュール熱積分値(I2t)を算出し,I2t-t特性と比較して,過渡電流で溶断しないか確認をします.過渡電流で溶断してしまう場合には定格電流の見直しをします.

異常電流
機器の異常時に発生する異常電流に対して速やかに溶断して回路を遮断するタイプを選定します.回路を遮断する条件は溶断特性(I‐t特性)データを基準に選定をします.

動作確認
ヒューズを選定し,実際に回路へ組み込んで動作確認を行います.確認は,回路が動作する上で,変動が起こり得る範囲で行います.


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