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インダクタの使い方

インダクタの使い方

インダクタを用途別に分類し、その使い方を検証してみましょう。

電源回路用インダクタ

スイッチング電源や DC/DC コンバータなど、エネルギーを変換する回路で使用されるインダクタです。多くの場合「チョークコイル」として使われます。
電源機器の設計では、発生した熱を分散させることは重要な設計ポイントですが、熱の発生源となるトランスやインダクタの選択においても、損失の少ないものを選ぶことが大切です。
図-13 に携帯電話のバッテリー充電器として使用されているACアダプタの回路図を示します。

L1 と L2 は共にノイズ除去を目的としたインダクタです。 AC アダプタは家庭のコンセントに差し込んで使われますので、 AC アダプタ内部で発生した電磁ノイズが他の機器へ伝達しないように、ノイズ除去を行う必要があります。
通常、アクロスザラインコンデンサ Cx やラインバイパスコンデンサ Cy と組み合わせてローパスフィルタを構成します。図 13 において、 L1 ・ L2 は共にノーマルモードインダクタとして使われています。 C1 はアクロスザラインコンデンサとして働くフィルムコンデンサです。

L3 は平滑用チョークコイルです。ダイオードで整流され、コンデンサで平滑されたリップルを含む出力電流を、チョークコイルのインピーダンスを使って平滑します。 チョークコイルには AC アダプタの出力電流が流れますから、計算によって必要なインダクタンスの値が決まったら、チョークコイルに与えられる実装スペースを考慮しながら、なるべく直流抵抗の低いチョークコイルを選びましょう。

高周波回路用インダクタ

RF回路の共振用インダクタやインピーダンスマッチング、高調波トラップなどには高周波特性の優れたインダクタを選びます。

● Qの高いインダクタを選ぶ
Qは高周波における損失を計る指標です。電源回路用インダクタの銅損の考え方と同様に、抵抗値が低いことが重要です。但し、この場合の抵抗値とは直流抵抗のことではなく、高周波における電気抵抗を考えなければなりません。
高周波では表皮効果( skin effect )が顕著になりますので、導体の断面積ではなく表面積を大きくすることが重要です。また、鉄芯内の磁束についても同様の現象があるため、コイル径を大きくすることで実効磁気抵抗を低減させます。(図-14 )

● 自己共振周波数の高いインダクタを選ぶ
高周波領域では、インダクタを構成する巻線や外部端子などが相互に影響し合って、ほんの僅かな浮遊容量 Cr が存在します。この Cr とインダクタのインダクタンスLが共振現象を起こす周波数(f o )があり、共振周波数以上では、インダクタがあたかもコンデンサのようなインピーダンス特性を示します。(図-15 )

高周波インダクタと呼ばれるものは十分に考慮された設計がなされていますが、比較的大型のインダクタやインダクタンス値の高いインダクタを使用する場合には注意が必要です。
インダクタメーカーのカタログには自己共振周波数のデータが載っていますので、使おうとする周波数で使用可能なことを確認してください。
図-15 自己共振周波数の例

● インダクタンス偏差の狭いインダクタを選ぶ

インダクタの製造工程では材料と加工精度の変動が避けられません。どうしても、製品間やロット間にバラツキが生じてしまいます。
動作バラツキのマージンを確保したい回路では、他の部品と同様に狭偏差仕様のインダクタを選びます。

● 高周波インダクタの使用例

図-16 に変形クラップ回路による電圧制御発振器( Voltage controlled oscillator : VCO )の設計例を示します。
図-16 VCOの回路例
VCO では、可変容量ダイオード( VC1 )の容量値が逆バイアス電圧によって変わることを利用して発振周波数を変化させます。

VCO 回路の供給電源は、安定した電圧でノイズが小さいことが重要です。 L1 は安定したバイアス電圧を与えるためのインダクタです。安定出力を得るためにはインダクタンスのバラツキが少ないインダクタを選ぶことが大切です。
L2 はコンデンサ C と並列共振して発振周波数を決定します。インダクタンス偏差が少ないことに加えて、 Q 値が高いことが不可欠です。

高周波インダクタにはコイル部分を構成する工法によって「巻線」「薄膜」「積層」の 3 種類のインダクタがあります。各々、得意不得意がありますので、使用する用途に応じて選択してください。
表 2 に VCO などで多く用いられている 0603 サイズ薄膜インダクタの仕様例を挙げます。

表-2 薄膜インダクタの仕様

コモンモードチョークコイル

フェライトコアに二つの巻き線を施した構造のEMI(放射電磁雑音)対策部品のことで、主に電源ライン、USB2.0やPCI、LVDSといった差動信号を利用するインターフェース回路などで使用されています。電子機器のEMI対策として重要な役割を果たしています。

コモンモードチョークコイルの特長は、ノイズと信号の伝送モードの違いを使ってノイズ分を除去するため、信号成分であるノーマルモードには悪影響を与えず、放射ノイズの発生源となるコモンモードの成分だけを選択して除去します。(図-17)

図-17 コモンモードチョークコイルの原理

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